プロ野球全盛期~V9の巨人軍を支えた守備能力~

高田

1965年~1973年まで9年連続日本一を達成、いわゆるV9を成し遂げた巨人軍の強さは、守備能力も大きく貢献しています。V9時代は、王選手、長嶋選手のコンビ、ON砲の打撃成績が突出しています。
後楽園球場が打者に有利な球場だったことや、王選手や長嶋選手が打撃タイトルを独占していたことから、確かに攻撃力の高いチームであったと言えます。事実、巨人軍はV9期間中、セ・リーグの最多得点を記録していました。

一方で、規定打席に到達した選手で打率3割を超えたのは王選手と長嶋選手だけなのです。V9時代の巨人軍の野球は、スモールベースボールの先駆けとされています。1、2番で出塁し、王選手、長嶋選手のクリーンナップで点を確実に取り、その点を高い守備能力で徹底的に守りきるという戦法を取っていました。試合の終盤に登板する抑え投手の地位を確立したのもこのころで、8時半くらいに登板する宮田選手が「8時半の男」と呼ばれ、活躍しました。

また、一塁王選手、二塁が土井選手、遊撃手が黒江選手、三塁が長嶋選手という鉄壁の内野陣がV9を支えました。彼らは守備が素晴らしいだけでなく、怪我をしない強靭な肉体の持ち主であったため、V9時代は、ほぼ彼らが守備についていました。V9時代の野球は彼らの守備が大きな支えであったのです。